11月28日の、田中聡前沖縄防衛局長の暴言に対し、30日の防衛事務次官の来県に続き、今日は一川保夫防衛大臣が沖縄にやってきました。
謝罪のためとしていますが、何を謝罪するのでしょうか。
一川防衛大臣は、田中前局長の発言について「弁解の余地はない」として更迭を発表しました。
ところが、当の防衛大臣が昨日の東日本大震災復興特別委員会で、1995年の少女暴行事件について「正確な中身は生活には知らない」と答弁しています。
田中前防衛局長の暴言とあわせて、この一川保夫防衛大臣の答弁が、県民の怒りに火を注いでしまいました。
「沖縄のすべてを知っていなければならない」ということを言うつもりはありませんが、何故沖縄の県民が普天間基地の撤去を願い、辺野古移設に反対するのかを考えるならば、単に基地が多いというだけでなく、米軍機の墜落、昼夜を問わない爆音などとともに、米軍人による事件・事故と、これらの問題に真剣に取り組まない歴代政府の姿勢に対する怒りがあるからです。
米軍の事件・事故の象徴的事件として、1995年に起きた3人の海兵隊員による少女暴行事件があるのです。
少なくとも、防衛大臣として「県民の理解を得る」と言うのであれば、この事件は知らないでは済まされません。
本日、午後7時10分の県庁入りに合わせて、午後6時から県庁前の県民広場で抗議集会を開催しました。
その集会で県議団から「抗議決議の全会一致可決」が伝えられ、ひときわ大きい歓声が沸き起こりました。
集会後、県庁出入り口に移動。
一川防衛大臣は、250人を超える抗議団が待ち受ける中、午後7時過ぎに県庁入り。
同20分頃には県庁から県議会へ。
そこで、一川防衛大臣は、高嶺善伸県議会議長から、下記の抗議決議を突きつけられる羽目になりました。
前沖縄防衛局長の不適切発言に対する抗議決議
去る11月28日、沖縄防衛局の田中聡前局長は、報道陣との懇談会の席で、普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価書の提出時期について問われたことに対し、「これから犯す前こ犯しますよと言いますか」と発言した。非公式の席とはいえ、沖縄における防衛省のトップである沖縄防衛局長が、このような暴言ともいえる、人権感覚を欠いた発言をしたことはまことに許しがたいことである。県民はこれまで、米軍基地があるがゆえに、米兵による少女暴行事件や県民の尊い生命が奪われた事件・事故など筆舌に尽くしがたい苦しみと痛み、人権じゅうりんを戦後68年間も強いられている。
同前局長は既に更迭されたとはいえ、今回の発言は県民感情を逆なでするだけではなく、当該事業の責任者としての認識の欠如を露呈するとともに、女性の人権を無視し、人間の尊厳を踏みにじるものであり、到底看過できるものではない。
さらに、一川防衛大臣は、米軍普天間飛行場移設が政治問題化した発端とも言える1995年の少女暴行事件について、「正確な中身は詳細には知らない」と参議院東日本大震災復興特別委員会で答弁しており、田中前局長を更迭した直後の大臣の発言としては、緊張感のなさや、沖縄の基地問題こ対する防衛省や国の姿勢が問われるものである。
よって、本県議会は、怒りを込めて、田中聡前沖縄防衛局長の発言に抗議するとともに、防衛大臣の責任を明確にすること、及び環境影響評価書の提出を断念することを強く要求する。
上記のとおり決議する。
平成23年12月2日
沖縄県議会
内閣総理大臣
防 衛 大 臣
内閣官房長官